
英語洋書の書評です。ジャンルはホラーです。
私が読んだKindle本のデータです。
The Elementals (English Edition)、Kindle Edition
Michael McDowell
ページ数:288
Kindle位置No.:5065
出版年:2014年(1981年)
ホラー小説の帝王、キングがアメリカのペーパーバックにおいて最も洗練された作品と評したホラー小説。英語圏読書SNS Goodreadsで評価は4.4/5.0の高評価でまずはずれのない本です。
概要
登場するのはSavage家とMcCray家で、Savage家 DauphinとMcCray 家Leighは婚姻関係にある。両家は幼少期に海の近く砂丘のあるBeldameで育つ。BeldameにはMcCray、Savageの両家の家がそれぞれありさらに今は使われていない封印された第3の家がある。
Savage家のMarian の死をきっかけにMcCray家のLawtonは娘のIndia、母親のBig Barbaraと共にBeldameの家での暮らしを始めるが、不可解な事件が起こり始めるというストーリだ。
存在感のある登場人物とユーモアのある会話
主にMcCray家の3人が主人公なのだが、どの登場人物も一癖ある。Big Barbaraはアルコール中毒。LawtonとIndiaの会話も一癖二癖あり、Lawtonが乱暴な言葉を娘に教えるのに対してBigBarbaraが注意を促す。Savage家の人物、両家に関わるひともみんなどこか変で印象に残る。物語の前半ではこの変な人たちの説明や会話が存分に楽しめる。
また、ホラー小説は怖い部分を楽しむのはもちろんだが、幸せな家族の様子が最初描かれ、その後に奇妙な事件や恐ろしい事件が起きるストーリーを多く目にする。この小説では最初から不可解、不気味な出来事が暗示されてはいるのだが、こういう家族の一家団らんの姿を楽しむのもホラー小説の醍醐味と思う。
この小説ではなかでも13歳の少女のIndiaの存在が小説にユーモアを与えて他のホラー小説とはひと味違った印象を与えてくれる。
I tell you, I’m pissed! I’m pissed at the whole business! Why the hell did you take me to a place like Beldame?
McDowell, Michael. The Elementals . Valancourt Books. Kindle 版.
こわい思いをしたIndiaが父親にまくし立てる台詞。憂鬱なシーンが続く小説だが、このようにIndiaが怖がる様子が描かれたりして全体的に重苦しくなりすぎることがない。
英語について
ホラー小説は基本的に他のジャンルの小説より英語が簡単と思う。児童書やヤングアダルトの方がずっと難しい場合がある。登場人物が多いので、関係や設定、両家の住む場所など混乱しやすいかもしれないが、概要に書いた内容がわかれば小説は楽しめるはず。
さいごに
砂丘のある海に近くのビクトリア朝の家が描かれ、夏読むのにぴったりの小説。インパクトのある登場人物、ユーモアあふれる会話、おどろおどろしさ、非常に優れたホラー小説だ。
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