多読との出会いは人生を変えた

英語多読

洋書を読むなんて無理と思っていた

中学高校時代から洋書読書については興味がありました。学校の授業では洋書読書をすすめる英語教師もいましたが、何から手をつけたらいいのか分かりませんでした。

中学時代にはクラスに米国から帰国したバイリンガルの同級生がいました。英検1級もすんなり合格していた優秀なクラスメイトでした。日本にいると英語を使わないので英語力が急速に衰えてしまうため、英語の洋書をよく読んでいました。お気に入りはロアルド・ダールでした。著書の中でチャーリーとチョコレート工場、お化けももの冒険など映画化された作品は多く、英語圏の子供が文字を一人で読むのに最初は読むのがダールという感じだったそうです。おばけ桃の冒険を読もうとチャレンジしたこともありましたが、すぐに挫折しました。バイリンガルの同級生には、「そんなに英語力が低くちゃ読めるわけないよ」とまで言われました。言った当人には悪気は全くありませんでしたが、それ以来洋書を読むのはあきらめました。

1999年、ちょうど高校在学の頃にハリー・ポッターの1巻目である賢者の石の邦訳が出版されました。ハリポタ旋風というのが巻き起こるちょうど前くらいだったと思います。ハリー・ポッターは多くの人がご存じと思いますが、英国の作家であるJ・Kローリングさんによるファンタジー小説です。ホグワーツ魔法魔術学校に入寮し、魔法使いとして成長してゆきながら因縁の邪悪な魔法使いと戦うというお話しです。現在はシリーズ最終巻である7巻をが2016年に出た後、本編の後日譚となる舞台劇脚本ハリー・ポッターと呪いの子までが邦訳としても刊行されています。1巻では11歳だったハリーもシリーズの巻を重ねるごとに学年があがり、最後は17歳となります。それに併せて読者の年齢対象も上がっていき、単語の難しさや本の厚さも増えていきます。

ハリーポッター1巻は対象が同年齢とすると児童書であり一見簡単なように思えます。しかし、実際読んでみると他の児童書よりも表現は難しめです。英語がそんなに得意でもない高校生の自分には全く手の終えないものでした。高校の先生の「これは簡単な本だからみんな読めるよ」という言葉には傷ついた思いがあります。英語教師は英語が専門であり、極めて英語力の高い人からみたら簡単なのでしかたがないことだとは思います。

その後大学に入り、英語の教科書や英語論文を読むようになります。専門書の英語は極めて平易で、専門用語さえ頭に入れておけばその他の単語や言い回しは簡単なのです。現在、英語はネイティブよりも非ネイティブの方が多く、学術論文では誰もが読み間違えないよう難しい言い回しは避けられているためです。ただこの頃は英語の小説はとても読めず、医学雑誌でも一般的な世間の出来事の記事はあまり理解できなかったよう思います。

大学を卒業して英語を使う機会が増えました。海外から見学に来る人の相手をしたり、世界各国から人が集まる講習会に出る必要がでてきたためです。英語を話したり聞いたりするのは苦手でなんとかしないとと考えていました。そんな折に1冊の本に出会いました。この本は私の人生を全く変えてくれた本と行っていいと思います。それが、酒井邦秀先生の著書、「快読100万語ペーパーバックへの道」という本です。

英語多読についての画期的な本

「快読100万語ペーパーバックへの道」は本当に画期的な本でした。この本は従来の日本英語教育の根幹である文法や辞書を使うのをやめよというのです。18世紀の後半頃ドイツの哲学者でヘーゲルという人がいました。弁証法で知られる哲学者です。従来の考え方、捉え方として定立、ドイツ語でテーゼがあるとすると、これに対して反論である反定立、アンチテーゼが打ち出されます。この二つの主張は相反しているのですが、さらに上位の観点からみるとこの相反する二つの考え方が統合できることができるのです。これをシンテーゼといい、より深い考えや主張を打ち出すことができるのです。「快読100万語ペーパーバックへの道」は従来の英語教育に対して厳しく批判をするアンチテーゼたる主張を含んでいます。

本書は学校教育で読む英語量の少なさを批判します。中学高校あわせてペーバーバック1冊にもみたない英語量しか接しないと。英語自体を使う練習をしないから英語が読めるようになるわけがないというのです。本書の中を一部引用すると以下のような記述があります。

・・・以前ぼくがやっていた授業では、ペーバーバックを読めるようになった人は何百人に一人しかいませんでした。率にして1%をはるかに下回っていました。しかもそういう人たちは、授業の成果というよりも、おそらく学生自身が努力して読めるようになったのだと思われます。

酒井邦秀著、100万語!快読ペーバーバックへの道 辞書なし、飛ばし読み講座、ちくま学芸文庫、2002

従来の学校教育では洋書を読めるようになるわけがない。本書の方針はタイトルにあるように、英語読書は辞書なし、とばし読みでよいというのです。英語で読めないのは話せないし聴き取れない、だから英語の読書力を伸ばせとときます。そして、この本は著者が大学で指導した経験をふんだんに踏まえて洋書を読めるようになるまでの具体的な道筋をしめしてくれたのです。

この本を本屋で読んで衝撃を受け、すぐ買って帰り本書の指導するとおりに洋書を簡単なものから読み始めました。絵本から初めて児童対象の児童書、中高生が対象のヤングアダルトと徐々にレベルを上げ、いまでは6年以上の年月を経て累計読書量1500万語を超えました。大体のペーパーバックは楽しんで読むことができる自信があります。オーディブルなどの洋書の読み上げサービスや英語ドラマなども視聴し英語を通してえる楽しみが大分増えました。

今洋書読書は電子書籍端末KindleやiOSのアプリを用いて行っています。残念ながら、「快読100万語!ペーパーバックへの道」は 古い本で電子書籍化されていません。いまなら中古で格安で手に入れられます。本書でおすすめする本は今となっては古い本がおおいです。しかし、この本の根本的な考え方はいつまでも古くはならないと思います。最近は他にも多読の本やサイトなどを見るようになりました。また別の機会に私なりの考えややり方について語りたいと思います。

さいごに

洋書読書はちょっとしたコツさえ身につければ楽しく学んでいくことができます。英語に苦手意識がある人、英語でいろいろな知識や情報を身につけたい人に少しでも参考になっていただければ幸いです。

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