こんにちは。アメリカから送り届けしてます。
“英語のペーパーバックを読んでみたい“、”英語でかかれた海外の小説を翻訳でなく原書で読んでみたい“と思っている人に向けて記事を書いてた記事です
私はKindleとiPadを用いて英語の本の多読を5年以上、合計1500万語以上続けてきました。
最初は英語の絵本を読むのが厳しかったくらいですが、現在は洋書ペーパーバックを楽しんで読めるようになりました。
英語多読で挫折してしまう可能性が一番高いと思われるのは、最初の100万語に達するまでです。
私も一度挫折しました。100万語を越えると英語洋書が読めるようになりました。
実際どのくらい英語多読が私にとって効果があったのか解説していきます。
“英語の多読って何?”と思われてる方もいると思いますので、私が実際に行った英語多読の方法を解説していきます。
私の記録を解説するのに多読のことなど説明する必要があるのでしばしお付き合いください。
多読のことをすでにご存じの方は、目次3.のこれが多読の効果だ、まで飛ばしてください。
英語多読について
英語多読とは何か
書店で購入した本から英語多読の存在を知りました。
私の多読はどうやって行ってきたのか、参照した本やWebサイトを取り上げ解説していきます。具体的な方法を詳しく知りたい方は、著書や各webサイトにあたってください。webサイトは基本無料で読めますからおすすめです。
まず、私が英語多読のきっかけとなった酒井邦秀著”快読100万語!ペーパーバックへの道”です。
私のバイブルです。この本は、従来の文法や英文和訳、英文解釈を用いた学校英語の方法でなく、英語を英語で理解する方法を示しています。
著者が実際に大学行った講義での様子、結果を踏まえた内容です。
英語でかかれた小説を読むためには、絵本レベルの簡単なレベルから読み始めて徐々に読むレベルを上げていくことを推奨しています。
大量に英文を読み込むことで日本語に訳すことなく英語を読むことを推奨しています。
この本で英語多読の方法を知った私は、絵本や英語学習者用の易しい英語でかかれたグレイテッドリーダーという本を買いあさる一方、webで多読の方法を調べました。
英語多読の三原則
次に多読をしていて目をつけたwebサイトがこちら。めざせ100万語!多読で学ぶSSS英語学習法のSSS学習法に多読法の解説やおすすめがあります。
このサイトでは、
辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)
分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)
つまらなくなったら止める (1 2 の原則で楽しく読めない本は読まない)
多読で英語に親しみませんか?
という多読三原則を提唱しており、私もこの方法で最初は多読を進めました。
多読を進める中で、古川昭夫著 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!(小学館101新書)という本をみつけ多読三原則ををちょっと改訂した方法に切り替えました。
①辞書を引かずに楽しめるものを読む
②わかるところをつなげて読む
③自分が面白いと思う本を選んで読む
古川昭夫. 英語多読法 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!(小学館101新書) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1150). 小学館. Kindle 版.
この三原則を本に書いてあったことを守って30万語以降も多読を進めました。
総語数の記録について
多読は上記の方法で大量の英文を読んでいくのですが、読書力の上昇はゆっくりです。ただ漠然と読み進めても自分がどれくらい進歩したのか分からないで、モチベーションの維持などをかねて読んだ総語数を記録することが推奨されています。
文字数のカウント方法はいろいろあります。酒井先生、古川先生の両著書に文字数の数え方が記載されています。
例えば、Thi is a pen.という英文があったとします。1行に用いられる単語の数は、”This”、”is”、”a”、”pen”の4つの単語があるので4語です。これを読んだ本について数えます。
1ページあたりから1-2行について単語数を数え、これに行数をかけると1ページあたりの文字数が分かります。2−3ページで平均をとってページ数をかければ1冊のページ数になります。
あくまで目安となるものですから、厳密さは重視せずにおおよその概算で計算してました。
数えるのはちょっとめんどくさいので、総語数が記載してある本やwebサイトで数値を調べて記録することも多用しました。
実際用いたのは、SSS英語学習法の書評サイトや、SSS英語学習法のサイトの書籍データをまとめた古川昭夫、神田みなみ編 英語多読完全ブックガイド改訂第4版です。
これらのサイトや本には総語数がきちんと書かれているので、該当する本を調べれば数える必要はありません。
読書記録もノートにつけたりスマートフォンでつけるのが面倒なので、ウェブサイトを活用しました。
多読王国というサイトは、多読の紹介はもちろんアカウントを登録すると無料で自分の多読記録をすることができます。私が多読を続けられたのもこのサイトのお陰といっても過言ではありません。
総語数は記録できませんが、和書と洋書の記録をするのに読書メーターという読書家SNSサイトを利用しました。
洋書を読む読書家さんも登録されています。
語数カウントについて、本を声で読み上げてくれるオーディオブック販売のサイトにオーディブルというのがあるのですが、1分間に読み上げる語数×収録分数をかければ1冊の総語数がわかります。
私は180語/分×収録分数で概算しています。
総語数のめやす
総語数の目安として体感的には、ざっくり書くと下の表のようになります。
絵本 | 300-1,000 語 |
児童書 | 500,00語 |
大人向けペーパーバック | 80,000-150,000語 |
もちろん、児童書でも100000語を余裕で越えるものもありますし、大人向けでも短いのもあります。
読みやすさレベルとは
SSS英語学習法の書評サイトや、SSS英語学習法のサイトの書籍データをまとめた古川昭夫、神田みなみ編 英語多読完全ブックガイド改訂第4版では読みやすさレベル(YL)を採用しており、私も記録に用いています。
多読を推進しているSSS英単多読研究会では、本の読みやすさを評価する共通の基準、読みやすさレベル(Yomiyasusa Level)という数値を決めています。実際に多読をしている人の声を集約して、「日本人学習者にとっての本の読みやすさ」をYL0.0-10.0の数値で表します。YLの数値が小さいほど読みやすいことを示します。
古川昭夫、神田みなみ編 英語多読完全ブックガイド改訂第4版,11ページ
SSS英語学習法の書評サイトやブックガイドをにもあらかじめYLが記載されていますので、これらを元に記録しました。
これもざっくり書くと、下の表のような感じです。
YL | |
0-1 | 絵本 |
2-4 | 小さい子供向けの洋書、英語学習者用のリーダー |
5-6 | 児童書やヤングアダルト |
7-9 | 大人向けペーバーバック |
本の選定について
総語数が100万語より少ないときは、酒井邦秀著”快読100万語!ペーパーバックへの道、古川昭夫著 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!(小学館101新書)を主に参照していました。
100万から300万語では、古川昭夫、神田みなみ編 英語多読完全ブックガイド改訂第4版をみることが多かったです。
300万語を越えてからは多読の本ではなくて、渡辺由佳里著 ジャンル別洋書リスト500という本を参照することが多くなりました。
アメリカ在住の著者が解説する洋書は面白い本が目白押しです。この本がなければやはり私は多読は続けられなかったでしょう。
本書は少し内容が古くなりつつありますが、新しめの本は著者のサイト、洋書ファンクラブをおたずねください。
ただ、著書はホラー小説はあまり得意ではないらしく、私が今一番読んでいるホラージャンルについては少し紹介が物足りない印象がありました。
ただ、それでも解説している量は多く、大変お世話になりました。キングの小説の紹介だけでもとうてい読み切れない量ではあります。
著者のおすすめで、海外読書SNSのGoodreadsや米国amazonから本を捜すことが述べられています。これも今よく活用しています。
これが多読の効果だ
多読の上達の仕方
さて、やっとここから本題に入ります。
上記のいろいろな著作やウェブサイトの力をかりて多読を続けた結果が以下のようになります。
絵本はiPad、小説などはKindleを用いて読書しています。

横軸が多読を開始してからの年数。
赤い線が総語数、黒い線が読みやすさレベル(YL)の推移です。
100万語まで約1年かかっています。総語数が80万を越えて横に平たくなっているのはこの8ヶ月間の期間は挫折して多読するのをやめていたからです。
多読を再開して総語数の伸びは再開しています。
次に読みやすさレベル(YL)を見ていきます。
多読を開始して100万語まではYLは4以下で推移しています。絵本や小さい子供向けの本、英語学習差用のリーダーを使用している期間です。
300万語に達するのに1年半経過しています。この300万語を達成後は大人向けのペーバーバックであるYL7.0-9.0を読むことができています。
300万語以後はYLは上下するもほぼ横ばいの状態が続いています。
多読開始から4年で1000万語を越えるとYL5以上の読書が多くなります。
多読開始5年で1500万語ではYLの下の値が5-6でやや高めになっています。
効果のまとめ
100万語手前で8ヶ月のブランクがあったが、多読を再開することで読みやすさレベルを上げることができました。
100万語から300万語の間は、小さい子供向けの児童書を用いて順調にYLと総語数を上げていきました
300万語を越えると大人向けのペーバーバックを読めるようになりました。
さらに1000万まで約4年を要し、以降もペーパーバックを読み進めることで総語数は上昇し、それにつれてYLも上昇する傾向にありました。
考察
酒井邦秀著”快読100万語!ペーパーバックへの道”というタイトルの名のとおり100万語が英語多読の一つの通過点として重要です。
最初は絵本レベルしか読めず、効果が実感できないと途中で挫折リスクがあります。私も挫折しました。
総語数100万語未満の時期は、読みやすさレベル(YL)が最高で3-4程度であり、大人向けの本を読むことが難しい。しかもこれが1年近くの時間を要しています。
古川昭夫著 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!では300万語までが洋書読書の基礎作りと述べられています。このレベルをこえると大人向けの本を読み進めることができます。
300万語を越えてからは総語数やYLはあまり気にしなくてもよいと著書では述べられていました。たしかに、300万語を越えてからはYLにあまりとらわれずいろいろな本をよんでいました。徐々に難易度の高い本を読めるようになっていきました。
ジャンル別洋書リスト500の著者の渡辺由佳里さんは、絵本ももちろん紹介されていますが、もう少しレベルの高い児童書や高学年の児童向けのヤングアダルト小説からの開始も推奨されている印象でした。
100万語までの挫折の可能性も考えるとこの方法も一理あるかと思いました。子供向けの本に興味が持てないという人もいるはずです。ただ、内容はより興味が持てると思いますが、英語を読む最初の負荷はより高くなる可能性があります。
1000万を超えての実感はやっとこれからペーパーバック読書の道がはじまるという思いでした。これ以降は好きな本を選ぶ選択肢がかなり増えました。
娯楽もののペーパーバックは楽に読めますが、古典の英語になるとまだ難しいものもあります。英語は日本の古典と違って時代が経っても言葉の変化が少ないのですが、シェークスピアとかはまだまだこれからです。
多読の効果の考察はあくまで私個人の記録から導き出されたものです。各個人で基本の英語力、社会環境など違いますから、多読をされるかたは自分に合う方法を自分自身で導きだす必要があります。
英語洋書読書や多読でお悩みの人に少しでも本ページの記事がお役に立てば幸いです。
まとめ
英語洋書の多読の記録を分析しました。
100万語、300万語が多読に参照した本で述べられているようにひとつの節目でした。
100万語を乗り越えるまでが一番大変だと思いますが、続けていくと1000万語までも数年はかかりますが、洋書読書へのさらなる楽しい道がひらけてきます。
参考文献
英語洋書の読書をするまでに多くの著作、ウェブサイトに助けていただきました。ひとえに先人たちの努力のお陰で今のこの楽しみがあると思っています。この場をお借りして御礼を申し上げます。
参考図書
酒井邦秀著 快読100万語!ペーパーバックへの道
古川昭夫著 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!
古川昭夫、神田みなみ編 英語多読完全ブックガイド改訂第4版
渡辺由佳里著 ジャンル別洋書リスト500
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